ヘリテイジ ULトレイルポールの修理~ロープの傷んだ部分を補強する~

こんにちは。からあげです。

はじめに

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はるかはるか遠い昔、2020年に上高地小梨平キャンプ場でテント泊したとき、100均レジャーシートタープのポールとしてトレイルポールを使用した。

トレイルポールとは、ヘリテイジ社から販売されているトレイルランニング用の超軽量ポールで、強度はないが携帯性に優れているので、私が愛用しているポールだ。

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この日は低気圧の通過で風雨が強かった。そこでできるだけ雨の吹込みを防ごうと節を折ってポールを短くしてタープを張った。林間のサイトではあったが、強風に煽られて支柱のポールが持ち上げられるなどしてポールのロープが傷んでしまった。

傷んだ箇所はちょうどポールのつなぎ目のところ。

後でロープを交換しようと思ってロープを外そうとしたが、全く外れなかったのでメーカーのヘリテイジに問い合わせてみた。

「先端部分とロープはカシメて固定してあるので、ロープを交換する場合は先端部分を丸々交換することになります。」とのこと。

そこですぐさま交換部品を取り寄せた。価格は1本1,500円程度だったか。たしか先端の石突き部分は110cm、115cm、120cmの各種サイズと大きさは同じだと伺ったような気がする。

110cmポールと交換用部品に付いているロープの長さの違い。
120cmポールに使っても十分余裕のある長さとなっている。

分解と修理

修理すると決めたからには気が変わらないうちにさっさとやる。手を動かしてさえいれば、かならず終わる。

何度もバランスを崩してポールに無理な力が掛かって折れそうになったが、不思議と折れていないポール。テントのポール程度の強度しかないため、上から力を加えないと大きくたわむ。

ロープにテンションが掛かっていない状態でグリップ端のロープの結び目を解く。
グリップのある節以外を繋いでおくとやりやすい。

硬く縛ってあるものの根気よくほぐしていけば解くことができる。

結び目を解いてポールを分解した。
先端の石突き部分にロープが取り付けられているが、これ以上の分解はできない。
ロープの直径は2mmでナイロン製。普通の物とは違いコシがあって丈夫そうに感じる。

傷んだロープの箇所。バラして見ると意外にまだまだ行けそうな気がする。
交換は止めてロープを補修して使うことに決めた。

傷んだ箇所に熱収縮チューブを被せて保護する。家庭用のドライヤーかヒートガンを使って収縮させるものだが、ライターの火で炙っても収縮させられるため私が愛用している素材だ。

ロープにはテンションを掛けてポールを伸ばした状態で固定する結び目が1つある。この結び目は硬く締まっていてどうしても解けなかった。

3mmの熱収縮チューブを通そうとしたが、この結び目に引っ掛かって駄目だった。太いチューブを使うと2mmのロープの太さまで収縮しないので使っているうちにズレてしまって保護できないかもしれない。

仕方ないのでロープを切ることにした。

3mmの熱収縮チューブは炙って収縮させてやるとロープと一体化してくれた。
ポール内部の部分はできるだけ引っ張ってポールに近づけて間接的にライターで炙ってやった。

若干収縮が不十分だが、これでヨシとする。

傷んでいないほかの節に当たる部分も保護しておくことにした。
引っ張った状態で位置を油性マジックで印を付けた。

そしてライターの火で炙る。

最後にチューブがズレないように瞬間接着剤で部分的に留めておく。
たっぷりと塗ると柔軟性が失われてしまい、ロープの強度が落ちたり、力が集中したり、ポールの伸縮がしづらくなるかもしれないので、かなり控えめに塗っておく。

なぜか節でない箇所にも傷みがあったので、ここも保護しておく。

ロープの端は瞬間接着材で固めてほつれ止めしておく。
これは以前から私がやっている方法で非常に有効。ひと手間掛けるだけでロープが長持ちするし扱いやすくなる。

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ロープを切るのはカッターナイフでもいいが、厚刃のナイフの方が使いやすい。
これはプーッコという北欧のナイフで2.4mm厚の鋼で切れ味が抜群に良い。研げば切れ味が復活する。鉛筆削りなんかも非常にやりやすい。

カッターナイフは折って新品同様の切れ味になるが、細い刃で操作性が悪く、いきなりざっくり切れて危ない思いをすることもある。

切ったロープは使えないので別の2mmロープを継ぎ足す。
手元にあった2mmのナイロンロープを用いた。

テグス結びで2本のロープを繋いだ。しっかりと引いて結び目を整え、解けないように瞬間接着剤を数滴垂らして染み込ませる。

ポールを組み立ててロープを引っ張りテンションを掛けマジックで印をつける。

印を付けたところに結び目を作る。輪っかにして通しただけの普通の結び。

気がかりだったのはロープのつなぎ目に結び目が近いこと。

結び目を調整して最適のテンションになるようにした。
ロープがよく伸びるため当初の印からずいぶんとズレた。

あとはしっかりと折りたたんで余分なロープを切る。

輪っかに3重に通しコブを大きくする結び方。
しかしロープが弱すぎる。伸び方が尋常じゃない。

ケチらずにダイニーマ芯の2mmロープを使用することにした。

こちらは登山用品店で購入した本物のダイニーマロープ。ネットショップでは偽物が売られていることもある。

明らかに安いものはタダのナイロンロープ。価格は通常の3倍はするが、タグボートの曳航索にも使われる非常に信頼性の高いロープだ。耐摩耗性が抜群に高くコレを使っておけば間違いない。UL志向の人が好むロープでもある。

なぜ初めからコレを使わなかったんだろう。トレランポールのロープは使用中テンションがかかり、伸縮する度に擦れて傷みやすい。

ダイニーマロープを繋ぎ合わせた。今回もテグス結び。

しっかりと引っ張って印を付ける。
普通のナイロンロープとは違い伸びが少なく手応えがある。

輪っかに何重も通しコブを大きくする。

3重が最適だった。
円錐形のプラスチックの穴にすっぽりと嵌る。

あとは余分なロープを切って完成。

多少伸縮はしづらくなったものの、節目の箇所の保護にはなった。

もう1本のトレイルポールも分解してロープを点検する。
傷んだ箇所はなかったので元通り組み立てる。
ロープが短いので繋いでロープを通し、あとで解いて結び目を作って復旧する。

おわりに

ロープを修理して多少の安心感が増した愛用のトレイルポール。
歩道のない車道を歩くこともあるので、ところどころに反射テープを巻いてある。

修理したトレイルポールはペアで約250g。
状況によって先端の石突きにゴムキャップを付けることもあるが普段は付けない。

通常のポールと違って強度がないので使用には細心の注意が必要だが、非常に軽量なので自転車にも積んでゆく気になる。これがあるとないのとでは大違い。本当に歩きが楽になる。

軽量登山とタープの支柱にもなる軽量のトレイルポールは今後も愛用の品として使ってゆくだろう。