はじめに
こんにちは。からあげです。
偶然の巡り合わせで年代物のマキネッタを手にれた私は、パッキンの交換や分解洗浄などしたのち、早速エスプレッソを淹れて飲んでみた。厳密にマキネッタで淹れたものはモカというが、紛らわしく煩雑になるのでエスプレッソで呼ばせてもらう。
フレンチプレスよりも深く濃厚な味わい、それでいて雑味が少なく喉越しまろやか。すっかりマキネッタで淹れたエスプレッソの虜になってしまったのだった。
マキネッタでエスプレッソを淹れる~簡単な手順と注意点~

光輝くステンレス製のマキネッタ。
容量は200mlで4カップ分。濃厚なエスプレッソの1杯の目安は50ml。
大きな湯呑みでがぶ飲みしたい私には若干小さい。笑

直火用ではあるが、底が真っ平らではないのでIHクッキングヒーターやラジエントヒーターでの使用は不可。
30年以上前はまだIHクッキングヒーターは広く普及していなかった時代なので仕方のないことだろう。
ちなみに私はIHクッキングヒーター嫌い。料理は不味くなるし、電磁波の影響で神経が高ぶる。昔懐かしい石油コンロを使用しているところ。

使用する火器はSOTO レギュレーターストーブ ST-310。
低温下でも火力を維持でき、経済的なカセットボンベを使用できるすぐれもののストーブ。
上位機種のST-330も持っているが、家では専らST-310を使う。
未だに廃盤にならないほどの根強い人気がある。点火しづらく、風にやや弱いという弱点があるが、工夫次第でなんとかなる。



アウトドア用のストーブだけあって、底が小さく深型ポットのマキネッタでもゴトクは合う。
マキネッタの底の径は89mm。
通常のカセットコンロだと網が必要になる。

横からみたところ。ゴトクの掛かりは十分。余計な気づかいなしで使うことができる。

200ml分のコーヒー豆の量は16~18gくらいで、マキネッタには細挽きが合う。
豆は中煎りのブラジル。

バスケットをセットする前にボイラー内に水を入れる。
量の目安は安全弁となる。

バスケットにすり切れ一杯の挽いた豆を投入する。
押し固めることはせず、そのまま入れるだけ。写真は細挽きでなく中挽きになっているのは粒度調整を忘れたため。
豆を入れすぎるとボイラーとサーバーの接続部より漏れてくるので注意したい。
内部圧が上がらず、しっかりと旨味を抽出できなくなる。

細挽きの豆
ふわっと入れただけ。

弱火に掛けてボイラー内の水が沸騰し始めてしばらくすると抽出が始まる。シュワーという音がし始め、次第に音がポコポコという音に変わると抽出終了の合図。
使っているうちにすぐに慣れる。

火力調整しやすいST-310は本当に楽。
入れる水に湯を混ぜて多少ぬるくしておけば、ガスの消費量は少なくて済む。

抽出中

抽出がほぼ終わってポコポコ音がしているところ。

火を止めたところ。

色が分かりやすいようにガラスサーバーに移し替えた。
本来は移し替える必要はなし。
ボイラー内の残り湯と余熱でしばらく保温が効く。

抽出されたエスプレッソは私には濃すぎるので湯で割って飲む。
その日の気分と体調によって湯の量を加減する。

湯で割るときはスプーンなどでかき混ぜた方がよい。
2回目以降はガラスサーバーは使わず、マキネッタ本体のサーバーから直接カップに注ぐ。

淹れ終わったあとのコーヒーカス。湿って固まっている。

ボイラー内の残り湯
空焚きを防止し、サーバーを保温してくれる。
おわりに

マキネッタで飲むときの道具一式。
このほかに手動グラインダーと軽量カップとスケールを使うくらい。
マキネッタで淹れる濃厚なエスプレッソは本当に旨い。今はマキネッタ一辺倒になっている。いつかペーパードリップに戻ることもあるかもしれないが、今はマキネッタがいい。
ひょっとしたらイタリア人の血が入っているのかもしれない。はたまた過去世のDNAに刻まれた記憶が蘇るのか。

こちらは猫の銀ちゃん。
ぱっと見た感じはねずみ色だが、光を受けると全身が銀色に輝く。

撫で撫でしてあげると気持ちよさそうになる。
機嫌の悪いときにやると、引っ掻かれたり噛みつかれたりする。笑

昇天した銀ちゃん。
直火式マキネッタの長所
家庭でも濃厚なエスプレッソを楽しめる。
大層なエスプレッソマシンがなくても、簡単な器具でエスプレッソを淹れることができる。
簡単に淹れられる。
初め豆の分量をスケールで量るくらいで温度計は不要。慣れればスケールさえ要らない。
飲みたいときにさっと作って飲める。それがマキネッタの最大の長所かもしれない。
タイマーを見ながら入れては止めるを繰り返し、チマチマとスケールで軽量するのは私の性に合わない。笑
ペーパーフィルターのゴミが出ない。
ステンメッシュのフィルター使用で紙ゴミがでないのが嬉しい。
1日に何杯も飲む人だと、馬鹿にならないくらいの多くの紙ゴミが出る。
ある程度の保温能力がある。
ボイラー内の残り湯と本体の余熱でしばらくは保温できる。
淹れ終わったら急激に冷めてゆくペーパードリップやフレンチプレス。急き立てられるように飲まねばならないが、マキネッタは自分の飲みたいタイミングで落ち着いて飲める。
直火式マキネッタの短所
定期的にパッキンの交換が必要。
繰り返し使用しているとパッキンが劣化して硬化してくるのでパッキンの定期交換が必要となる。パッキン単体ではなく、フィルターとのセット販売(抱き合わせ)になっていることが多い。
マシンのようにクレマが出来ない。
低圧抽出するマキネッタは高圧抽出するマシンのように細かい泡(クレマ)ができない。
一部の機種は多少圧が上がってクレマができるようだが、まだまだ圧が低いだけにできる量は少ない。

いくつか長所短所を挙げてみたが、やはり圧倒的に長所が多い。ペーパードリップ、フレンチプレスも捨てがたいが、簡単な手順で淹れられ、濃厚なコーヒー汁を抽出できるマキネッタに大きな魅力を感じる。
マキネッタで淹れる濃厚なエスプレッソが私の活力源になっているのは間違いない。