オイルランタンの整備~サビ取りとペンキ塗り~

はじめに

こんにちは。からあげです。

一度試しに使ってみると、すっかりオイルランタンの魅力に取り憑かれた私は、その後毎日のように使い続けた。
雨の日も風の日も、強風で消えない限りは飽きることなく炎を眺めた。

小屋暮らしを辞めてからというもの、現代の便利な生活にすっかり染まってしまっていたようだ。私の魂が炎を求めていたに違いない。

約2ヶ月間 ほぼ毎日使い続けたランタン

ランタンは屋外の軒下に吊り下げ、夕方暗くなる頃に点灯し、朝になって明るくなるまで点けっぱなしだった。常夜灯として、夜中目覚めたときの観賞用として使った。一日の点灯時間は10~12時間ほど。はじめのころは燃料の灯油が残ることが多かったが、毎日使っていたので抜きはしなかった。

そうして使い始めて1ヶ月ほど経ったころ、タンク内に錆が出始めているのに気が付いた。
残った灯油を入れっぱなしだったことがマズかったのだろうか。錆は次第に成長し、かなり目に付くようになっていた。

オイルランタンは有毒な燃焼ガスが発生するため、閉め切った屋内での使用は非常に危険です。

錆が気になり出してからも、そのまま使い続けて2ヶ月経過。新品だったオイルランタンはホヤが煤け、タンク内の錆はさらに成長していた。
もういい加減に整備しよう。そう思った私はランタンから灯油を抜き取り整備をすることにした。

煤けたホヤ

すりガラスのようになってしまっている。

タンク内の錆

錆は内側のみで外側は見当たらず。

給油口フタの錆

ネットで検索してみると、高価なタンククリーナーやトイレ用洗剤のサンポールを使え、というような情報がわんさか出てくる。

高価なタンク洗浄剤なんて使いたくないし、そもそも薄っぺらなランタン(おそらく0.1mm程度)に使用したら酸で溶けて穴が空きそう。
そこで天然素材で肌にやさしいクエン酸を使って錆を落とすことにした。

タンク内とホヤの洗浄

燃料タンク内の灯油をスポイトで抜き取ったあと、開口部にウエスをあてがいランタン本体をひっくり返して残りの灯油を完全に出し切った。
そのあとで分解した。

煤けたホヤ

ガラス製なので取り扱いには注意したい。

灯芯と燃料タンクのフタを外し、ウエスを付けた棒を突っ込んでタンク内を拭き掃除する。

ウエスに赤茶色の汚れが付く。
幸い、錆は表面のみで穴が空きそうな気配はなし。

クエン酸を適量入れた桶に水を足し、ランタンを沈める。

タンク内のサビ取りにM6程度のナットをいくつか入れ、開口部を指で塞いでから何度も振った。
すると錆の小さな塊がいくつか出て来た。

ランタン本体のつけ置きと並行して、ホヤのつけ置きも行った。
ホヤは重曹水に漬け込んだ。

地球環境を考慮して、掃除洗濯には重曹とクエン酸、酸素系漂白剤を使用している。肌に悪く刺激の強い薬剤は使用したくない。

灯芯とカバー周りは問題なかったので、錆取りや浸け置きはせずそのまま。
2ヶ月間ほぼ毎日使って灯芯の交換なし。まだまだ使えそう。

一見すると錆が取れて綺麗になったように見える。

ところがクエン酸の洗浄力により、錆びていなかったところまで錆びてしまっている。
軽微な錆の場合はクエン酸水に浸けない方がいい。ということを学んだおっさんだった。

とにかくタンク内の錆が軽微で良かった。

ランタンのペンキ塗り

タンク内はアルミニウム入りのシルバーペンキを塗る。
刷毛は木工・工作用の幅15mmの平刷毛を使用した。とにかく安い。

ペンキは少量だと高いので一斗缶で買って小さな缶に小出しして使っている。アルミ入りシルバーペンキは上塗りなしでも問題なし、防錆能力が高く、ほかの色に馴染みやすいので非常に重宝している。

油性のためシンナーで刷毛を洗う必要があり水性より手間が掛かるが、塗膜が長持ちする。

アルミニウムは鉄よりイオン化傾向が高いため、アルミの方が先に錆びて鉄を保護します。

シルバーペンキを塗り終えたところ。
元がシルバーなので全体を塗らなくともよいのがいい。多少のムラは経年の味ということにしようか。

しっかり乾かさないと灯油にペンキが溶け出してくるので、このあと丸2日間天日に干した。
車やオートバイの燃料タンクではないので、多少溶け出したところで問題なし。それほど神経質になる必要はないだろう。

乾燥後の組み立て

丸2日天干に干して完全に乾かした。
指で撫でてもペンキが付くことはなし。

色ムラはほとんど目立たず。

気がかりだったタンク内のペンキもしっかりと乾いた。

漬け置きで錆びてしまったフードの内側も綺麗になった。

新品同様に見える灯芯。

元通りに組み立てたところ。

重曹に浸け置きしたホヤもピカピカ。

ペンキでフタの開閉が若干重たくなったものの、何度か開閉しているうちに軽くなった。
ペンキを塗って新品同様の輝きを取り戻したランタン。

暗くなるのが非常に待ち遠しい。

おわりに

暗くなるのを待ってランタンに灯油を入れて点火する。
毎日使っていたのに、数日休んだだけで点きが悪かったような気がした。

だがそれも束の間、しばらくするといつもの明るさを取り戻した。
久しぶりに見るランタンの炎は格別だ。重曹クエン酸水を飲みながら静かに眺める。

今回の整備はほとんど金を掛けず、刷毛を買ったくらいで終えることができた。我ながら合格だ。

ホヤの予備を買っておこうかとネットを見ていると、あまりの安さにSサイズをもう一つ購入してしまった。シルバーのSサイズは完売で、残り僅かのタンも安かった。

2台体制で使えばより長持ち。転倒、落下には気を付けて今後も大事に使ってゆきたい。