自分で自転車を組む その3~バルブ穴拡張とタイヤ・チューブの装着~

はじめに

こんにちは。からあげです。

自転車店に注文してからおよそ半年。待ちに待ったフレームセットがようやくやって来た。
よし、組み立てよう!

いや、ちょっと待て。早速始めようとは思うが、バラバラの部品から組み立てるバラ完は今回が初めてだ。趣味でやっているのだから慌てることはない。参考資料を読み返し、作業手順を確認してから実際の作業に入る。

今回の作業の概要

今回の作業はバルブ穴の拡張、チューブとタイヤの装着まで。
自転車屋さんに組んで貰ったホイールは、フレームセットとともに送られてきた。
ホイール径はロードバイク標準の700C、そして安全対策のため前輪のハブにはダイナモ付き。

ハブダイナモは走行負荷が大きく増えるが、安全走行のためには欠かせない装備となっている。

リムについて
DT SWISS RR481 db 700C 32H チューブレスレディー
推奨タイヤ幅 28 〜 62mm 仏式バルブ

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タイヤ シュワルベ マラソンプラス 700×32c

タイヤは重たいが脅威の耐久性を誇るシュワルベ マラソンプラス。長距離ツーリングでは定番のタイヤだ。
ディスクトラッカーではこのタイヤで30,000km以上走って耐久性の凄さを知っている。

あとになって(走り始めてから)、ロード向けの軽いタイヤの方が良かったのではと思ったりもした。
シュワルベにもロード向けの耐久性のあるタイヤはあるし。なぜか当時はマラソンプラスしか眼中になかった。

ツーリング|SCHWALBE(シュワルベ)|PR International
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5mm厚のパンク防止帯内蔵で耐パンク性能が最高レベルの7。さらにワイヤービードで信頼性が高い。
丈夫な分重たいが、一旦走り出してしまえば重さを感じることはない。

タイヤ幅は32mm。
乗り心地がそこそこ良くて、そこそこグリップ力もあり、ホイールに大きな負担が掛からない。もう少し太めのタイヤに惹かれたものの、ツーリングと日常使いそして軽快さ兼ね備える幅は32mmで決まり。というよりは700cのマラソンプラスは32mmの一択のみで選びようがなかった。

だが軽量なマラソンにすれば、耐久性は劣るものの選択肢が多くなる。耐久性を重視するあまり選択を誤った。

チューブ シュワルベ AV17 700×28-45c

チューブはタイヤに合わせて同じシュワルベ。32mm幅のタイヤとリムに適合する米式バルブのチューブはAV17。対応するタイヤ幅は25mm~45mmとかなり広い。

仏式バルブではなく、米式を選択したのは私の好み。空気圧の調整がしやすい仏式よりも、空気を入れやすくて丈夫な米式の方がいい。

シュワルベの米式バルブは全ネジで、空気圧を落としてもチューブがズレないのも良い。

リム高25mmのリムにバルブ長40mmのチューブは装着可能。キャップの締め代を引いても余裕がある。
シュワルベの仏式にはロングバルブがあるが、米式にはなし。リム高の高いディーブリムは仏式一択になる。

チューブの選択肢が多いロープロファイルのリムでも、700cで米式のネジ山のあるバルブだと選択肢は少ない。まあ、あるだけヨシとしよう。

シュワルベ製品ページより転載

ロードバイク用リム高さ | DT Swiss

箱から出したチューブ

バルブキャップと固定用のナット。このナットの有無で扱いやすさが大きく異なる。

キャップの締め代は約7mm

バルブ径をノギスで計測してみると7.7mm。

ディスクトラッカーに装着しているシュワルベの26×1.50/2.50(SV13)のチューブと比べてみる。

当然だが太さに大きな違いがある。

リムテープ シュワルベ ハイプレッシャー 22-622

リムテープもシュワルベで統一。リム内径22mmに合わせてぴったりの22mmを選択。
ハイプレッシャーと表示されていて高圧にも耐えられる仕様のようだ。

リムのバルブ穴の拡張

マキタ 充電式4モード インパクトドライバ TP141D RGX

今回の作業を機に新しくインパクトドライバーを購入した。

マキタの最新式フルセットで当時4万円だった。現在は値上がりしていてなんと6万円。フレームを買った勢いで買っておいて良かった。

インパクトモード、振動ドリルモード、ドリルモード、ねじ締モードの4モードを搭載していて、大抵のことはできるが無理は禁物。多機能搭載ゆえに本体が重く嵩張るため長時間の作業は辛い。しかし筋トレになると思えばどうってことはない。

これでインパクトドライバーは2台体制となり、作業の効率性が大幅に向上した。

TP141D | 株式会社マキタ
マキタは、総合電動工具メーカーとして、充電式を含む電動工具、木工機械、エア工具、エンジン式を含む園芸工具を取り揃え、世界各地で人の暮らしと住まい作りのお手伝いをしております。

ドリルチャックアダプター ボッシュ CKR-10

インパクトドライバーに丸軸の鉄工用ドリル刃を装着するためにアダプターを使用する。

ボッシュのドリルチャックアダプター。最大10mm径のドリル刃まで装着できる。

以前、手回しで固定するキーレスタイプのアダプターを使用していたが、使いづらかったのでしっかり締め付けられるキー付きの型にした。

キーレスタイプは手締めのため、大きな力が掛かるとドリル刃が滑ったり、噛み込んで外せなくなったりするものの、着脱しやすいという大きな長所がある。どちらにも良いところがあるので、DIYをする人は両方持っておいた方がいいだろう。

六角軸ではなく丸軸のドリル刃を使う理由は安く丈夫だから。

アダプターと丸軸のドリル刃で、さらに嵩張るようになる。
当然、狭い場所では取り回ししづらい。だがコードレスなので何とかなる。

Rホイールのバルブ穴拡張

リムのバルブ穴は仏式用の6mm。先に7.5mmのドリル刃を使用、そのあとで手動ヤスリで8mmまで拡張する。
まずは失敗しても被害が少ないリヤホイールから始める。以前、ツーリング車のディスクトラッカーでも同様の作業を行っている。

ホイールを跨いで上に乗って固定してからドリル刃をだいたい垂直に当てて回転させる。あらかじめドリル刃には切削油としてチェーンオイルを垂らしておいてある。

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7.5mmのドリル刃が貫通したところ。
削りカスを2重構造のリムの中に入れないように慎重にドリル刃を抜いて掃除する。

バルブ穴の仕上げは半丸と丸のヤスリを使用する。

バルブ穴の拡張作業には最適なヤスリの形状。

拡張したバルブ穴のバリ

バルブを何度も当てながら少しずつ穴を拡張していって仕上げた。
塗装が剥げた箇所には黒のペイントマーカーを塗っておく。

リムテープを装着。

リムテープはピッタリ。

チューブとタイヤを装着した。
ワイヤービードのマラソンプラスは嵌めるのにずいぶん手こずった。プラスチック製のタイヤレバーを何度も折りそうになりながらも、なんとか装着することができた。
寒い時期でゴムが固いうえ、タイヤが細いので余計に嵌めづらい。ビードにシリコンスプレーを吹いて嵌めやすくした。

気掛かりだったバルブの出には余裕あり。

角度を変えてもう一枚。
やれやれ。ようやく1本終了!
引き続いて2本目をできないことはないが、寒くなってきたので本日の作業はここまで。

Fホイールのバルブ穴拡張

昨日に引き続いて、ダイナモ付きのFホイールのバルブ穴拡張作業を行う。
一晩ゆっくり眠って準備は万端だ。

翌日、暖かくなってきてからFホイールのバルブ穴を拡張する。
Rホイールと同様に7.5mmのドリル刃を使用してから手動でヤスリがけして穴を拡張する。

半丸の先で徐々に穴を拡げてゆく。
上から見て真円になるように作業を進める。

コンプレッサーを持たない私は手動ブロアで削りカスを飛ばす。
100均の安ものではなく、ちゃんとしたカメラ用のやつ。

バルブ穴は平面ではないので真円にするのは難しい。いつまでも削っていると穴を大きくし過ぎてしまいかねない。
適当なところで止めにする。

内側から見るとだいたい丸。これでよし。

リムテームはちょうどぴったり。

Rホイールのときタイヤ装着に苦戦したので、ビード部分にシリコングリスを塗ることにした。

するとどうだろう。作業がやりやすくなるどころか、逆にやりづらくなってしまった。
グリスで滑ってタイヤレバーが外れる。

一旦タイヤを外してグリスを拭き取ってからやり直しなんとかタイヤを装着することができた。

タイヤを装着したところで空気を入れて満足感に浸っていると、なにやら様子が変。
さきほどパンパンに空気に入れたはずが、徐々にしぼんで来ているではないか。

タイヤレバーでこじたときにチューブを傷めてしまったのか。意気消沈しながらチューブを外して水を張ったバケツに沈めて空気漏れの箇所を確かめてみる。

あれ、どこだろう。

ああ、単にバルブコアが緩んで空気が漏れていただけだった。

米式のバルブコア

画像はシュワルベではなくパナレーサーのもの。ウェブサイトを不定期更新とするようになってから、写真の撮り忘れが多発するようになった。笑

意外に緩むことが多い米式のバルブコア。定期的に確認しておいた方がよい。
バルブコアの着脱はマイナスドライバーでもできないことはないが、バルブコアドライバーを使った方が無難だ。カー用品店でも販売されている。

通常タイプと携帯用のミニタイプの2本組みなのに非常に安価。以前、米式バルブの新品チューブに交換したときも、バルブコアが緩んでいたことがあり、それ以後長距離走行の際は必ず携帯するようになった。

仏式バルブもバルブコアが取り外しできるが、緩みにくい構造のためか一度も緩んで来たことはなし。

作業まとめ

せっかく苦労して嵌めたタイヤをもう一度嵌めることになったが、ゴムが柔らかくなったのと作業に慣れたお陰で2回目はすんなりとタイヤ装着することができた。

一時はどうなることかと思ったが、全然大したことではなかった。

ビードもしっかり出てきれいに装着することができた。

やっぱり32mmは細い。かと言って心細いわけではない。なんと言っても最強の耐パンク性、耐久性を持つマラソンプラスだから。

ワイヤービードのタイヤは本当に嵌めづらい。細くて新品だと余計に嵌めづらくなる。
走行中にパンクしないように祈ることにしようか。タイヤレバーは折れてもいいように必ず3本携帯する。こうして荷物が増えてゆく。

さて、今回の作業はここまで。次回はFフォークのフラットマウントネジ穴のタップ修正をお届けします。