こんにちは。からあげです。
はじめに
いよいよ始まった新シリーズ「自分で自転車を組む」サーリー ミッドナイト・スペシャル編。
自分で何でもやらないと気の済まない性分の私は、とうとうというべきか、ついにというべきか、自転車を自分で組むことにした。今回のミッドナイトスペシャルでスポーツ自転車は3台目となる。
初めてのPanasonic OJC4は、2018年に北海道を一周したあと長い間物置で埃を被っていた。ミッドナイトスペシャルの購入資金に充てようと3万円ちょっとで叩き売った。乗らない自転車は邪魔物でしかないし、置物にしておくくらいなら誰かに乗ってもらった方が断然良い。
今回もディスクトラッカーで大変お世話になった自転車見聞店さんに頼むことにした。
店主は愛車のロングホールトラッカーで世界一周したことのある経験豊富なサイクリスト、しかも英語堪能で海外の自転車事情に詳しく非常に頼もしい存在だ。
私は今のところ、自転車で世界一周する気はないものの、海外の美味しい部分を半年から1年くらい掛けて気ままに走りたいとは思っている。
注文内容はフレームセット、ホイールセット(フロントはダイナモ付き)、フロントキャリア、ハンドルなどの主要な部品のみ。
ほかの細かい部品はネット通販やメルカリ・ヤフオクなどの個人売買で手に入れることにした。
さほど重要でない簡単に交換できる部品は、できる限り中古品を入手し、自分で整備して組み付ける。その方が安く組めるし、部品の良し悪しの判断、整備力などが身につく。
作業の主体は自転車店ではなくこの私。自転車の組み立ては部品選びからすでに始まっている。自作PCと同じだ。
ミッドナイトスペシャルの基本設計は日常生活でも使える維持費の安い、軽快なロードバイク。
先進の自転車店が一切ない海外の僻地を想定して、入手性と整備性が良く、汎用性と耐久性の高い部品で組み上げてゆく。ただ速いだけの自転車は要らない。
届いた品の紹介
注文してから半年ほど経ってようやく届いた。インチキコロナ騒動によって一時は工場のラインが停止し、世界的な自転車需要の高まりから、フレームの製造が追いつかない状態だった。
今考えると半年ほどで入手できたのは本当に幸運だった。現在は円安と資材の高騰が加わりより厳しい状況となっている。欲しいものは欲しいと思ったときが買い時。そう思うようになった昨今だ。
フレームは台湾の工場で製造され、輸入代理店のモトクロスインターナショナルさん(名古屋市名東区)経て、東京武蔵村山市の自転車見聞店さんに納入され、最後に愛知の実家へという具合に長旅を終えてやって来た。
いやあついに来たか。待ってたよ!
段ボールの中身は緩衝材に包まれて厳重に梱包されていた。
まずはホイール前後とフレームセットを取り出す。
注文の品すべて
ハンドル、ホイール前後(前ダイナモ付き)、ヘッドパーツ(圧入済み)、フロントキャリア、アダプターワッシャー(スルーアクスルにクイックリリースのホイールを取り付けるためのアダプタ)。
SALSA COWCHIPPER DELUXE 40㎝ Silver
SALSA COWCHIPPER DELUXE 40㎝ Silver
サルサのグラベル用ドロップバーには、Cowbell、Cowchipper、Woodchipperの3種類あって、さらに材質の違いよって通常(アルミ合金)、デラックス(軽量アルミ合金)、カーボンの3種類がある。
長期ツーリングにはカーボンは向かず、通常版とデラックス版の価格差は僅かなので、デラックスを選択した。
さらにフレア角が中間のカウチッパーのデラックス40cmを選択した。本当はブラックが欲しかったのだが、納期がさらに遅れるということで、たまたま在庫にあったシルバーにした。
当時はとにかく部品の入手に時間が掛かった。色は何でもよし。機能に全く関係のない色よりも、体に合う大きさ選びの方が重要だ。
意外な色の組み合わせで思いがけずオシャレになったりもする。そしてその逆もあり。
フレア角度24度。末広がりの形状の方がグラベル向きと言われている。
幅40cm リーチ68mm
ドロップ116mm
サーリー 8パックラック
フロントキャリアには丈夫でコンパクトなサーリーの8パックラックを選んだ。素材はクロモリで多少重たいが、強度と耐久性を兼ね備え私好み。24パックは大きすぎてミッドナイトスペシャルには合わない。
上から見る
天板のサイズは270×160mm
ダボ穴(M5)は6つ。
横から見る
三角形の形状強さの秘密。
正面から見る
前面にダボ穴が2つあって、ライトや反射材、カゴの取り付けに役立つ。
ダボ穴を拡大する
しっかり溶接で固定されている。万が一外れてしまっても溶接で簡単に修理可能。やはりフレームだけでなく、キャリアもクロモリのほうが良い。
フレームセット(50cm Metallic Lilac)
フレームのサイズ選びには非常に迷った。
私の身長は165cm。合いそうなサイズは46cm、50cm、54cmの3つと言いたいところだが、さすがに54cmは大きいので却下。すると46cmか50cmの2択になる。
ツーリング車のディスクトラッカーは46cm。空気抵抗を減らすために前傾姿勢で乗るとやや窮屈になる。始めは80mmだったステムは徐々に長ってゆき最長140mm、今は130mmで落ち着いている。
ミッドナイトスペシャルはロード系。ディスクトラッカーよりも前傾姿勢で乗ることになるので、50cmの方が良いのではないか。ということで50cmに決定!
色は当初ブラックにしていたが、ブラックと一緒にMetallic Lilacも同時に入荷したというので、ピンク色にも見えるMetallic Lilacに変更した。黒は無難だが地味すぎて面白くない。
トップチューブのロゴが微妙。笑
そのうち慣れることだろう。
シートポストにはレコードの印。
さらにMADE IN TAIWANの表示。こういう邪魔なものはすぐに剥がす。
大口径44mmのヘッドチューブ。すでにヘッドパーツは圧入されている。私に必要十分なタンゲで決まり。TANGESEIKI TG36ZS22。
サーリーのロゴが眩しい。
ヘッドチューブを横から見る。
溶接部分は滑らか。確かに太い。
エンド形状
12mmのスルーアクスルだが、ホイールの着脱性を考慮して下側を開放している。
リヤディレーラーは直付け。
リヤブレーキのフラットマウント。リヤはチェーンステーを貫通する穴になっている。
穴は楕円形でブレーキキャリパの位置を微調整できるようになっている。
ブレーキキャリパとの当たり面は精度を高める掘削処理なしでそのまま。必要性を感じたらどこかでやってもらう。
BBシェルのようす
当たり面は良好。ネジ山はさらってくれている様子でとても綺麗な状態だった。
後ろから2本のシートステーを見る。
ディスクトラッカーに比べると華奢に見える。
シートクランプは付属している。
広いタイヤクリアランスを確保するために面白い形状になっている。
フェンダーなしで650Bで60mm、700Cで42mm幅までのタイヤを装着できる。
チェーンステー付け根を拡大。
チェーンリングとの干渉を避けるために右側は両側に潰しが入っている。
これらの形状を考慮すると、荷物の積載量は控えめにした方が良いと分かる。(ディスクトラッカー比)
フォーク
持つとずっしりとした重量を感じた。体重計で測ると1.3kg。
何故か右側だけサーリのロゴなし。
ミッドナイトスペシャルのフォークはなで肩。ディスクトラッカーの角張ったいかり肩とは違い非常に滑らか。
横から見る
12×100mm スルーアクスル
見た感じ9mmクイックリリースよりも大幅に剛性が上がっているように思える。
リヤ同様にオープンエンドでホイールの着脱性を向上させている。
六角穴付きボルトの着脱は5mmのレンチ2本使用する。
ブレーキキャリパのフラットマウント。
よく見ると下側のネジ穴が怪しい。
上側のネジ穴
ネジ山は立っているが若干の不鮮明。当たり面も良くはない。
下側のネジ穴
ネジ山はほとんど見えない。試しにM5ボルトを入れてみたが先しか入らない。
当たり面も残念な仕上がり。このネジ穴は要修正だ。(後ほどタップで修正。別の記事で紹介する。)
ホイール 前ダイナモ付き 700C 32H
リム DT SWISS RR481 db 700C 32H
リム DT SWISS RR481 db 700C 32H チューブレスレディー
正味重量 485g
推奨最大システム重量 130kg
素材 アルミ
リムジョイント 溶接
推奨タイヤ幅 28 〜 62mm
ディスクブレーキ専用
仏式バルブ穴
システム重量とは、ライダーとその装備の重量に、荷物を積んだバイクの重量を加えたものです。
リムは仏式バルブ穴でハトメなし
スポーク DT SWISS Champion 2.0mm
リム内側を見る
ホイールサイズは700Cを選択。ミッドナイト・スペシャルは650Bと700Cの2種類のホイールに対応しているが、高速巡航性能を考慮して700Cにした。
スポーク穴の数は入手性の良い32Hを選択した。36Hのリムはスポークの本数が多くて丈夫になるが、入手性が非常に悪く先進国の自転車店でも手に入らない可能性があるため却下。
最終的にリムはグラベルロード向けに作られたDT SWISS RR481 db 700C 32Hにした。
フロントハブ シマノ DH-UR705-3D
フロントハブ シマノ DH-UR705-3D ハブダイナモ(6V-3.0W)12mmスルーアクスル仕様
ディスクトラッカーにハブダイナモを付けて昼間の視認性が大幅向上するなど気に入ったのでミッドナイト・スペシャルのホイールにも付けることにした。
色はスポークに合わせてシルバーを選択。結構いい感じになった。
ブレーキローターの取り付けはセンターロック式。
スポーツバイク用のハブダイナモはDH-UR700シリーズ。回転抵抗が軽減されているとはいうものの、かなりの抵抗がある。インドネシア製。
リヤハブ シマノ Deore XT FH-M8010
リアハブは8sで一番グレードの高いDeore XT FH-M8010を選択した。
12mmスルーアクスルに対応しながら、リアスピード8s~11sまで対応する懐の広さがある。
耐久性が高く整備性の良いXTにしておけば間違いなし。MTB系のハブだがロードに使っても何ら問題なし。
ブレーキローターの取り付けはセンターロック式で、ホイールの着脱は5mm六角レンチ2本使用する。
まとめ
とりあえず大まかに紹介したミッドナイト・スペシャルの部品たち。
サーリー純正のアダプターワッシャーはスルーアクスル仕様のフレームにクイックリリース仕様のホイールを装着するためのアダプターで当分の間は使用せず。使う時になったら紹介したいと思う。
次回からいよいよ組み立てとなる。初めての自転車組み立てはどうなることやら。今回はこれでおしまい。